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「…しんどいな。もう1週間ぐらい家には帰ってないか?たまに社に戻ってソファーで仮眠とるだけで、あとはずっとカメラで何の変化もないマンションを見続けるだけだ。…こんなはずじゃなかったのに…。」
カメラに興味を持ったのは中学生の時、祖父にカメラを買ってもらったのがとても嬉しくて、毎日毎日花や木、山などを撮って遊んでいた。
本当は感動するような綺麗な風景を撮るのが好きだった佐山だが、生活していくためにはお金が必要で渋々専属カメラマンという職業をやっている。
人のスキャンダルを餌にして生きている自分に最初は嫌悪感を覚えたが、その感覚もすっかり麻痺してしまったようだ。
23歳でここに就職してもう4年にもなる。
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