未来新聞

○５ 危険物

「仕事に行かなきゃ…。」

気持ちを入れ替えて顔を洗おうと洗面台の方へ歩み寄った時、郵便受けに入った小包が目に入った。

佐山は一瞬固まった後、ゆっくりと郵便受けに近付いた。

まるで危険物がそこにあるかのように。

小包は昨日と同じものだった。

『佐山陸人様』とだけ書いてある、何でもない普通の小包だ。

佐山は恐る恐る中の物を取り出した。

「やっぱり…『未来新聞』…。」

いつ届いていたんだろうか。

今郵便受けに何かが届いた気配はなかった。

昨日帰宅した時にもう既に届いていたのか？

日付は８月21日となっている。

まさに今日は８月21日。

一見不自然なところはないが、よくよく見るとすぐにおかしいことに気付く。