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「まったく、どんな人生を歩んだらこんな風に恋愛にやたらとストイックな少年に育つんだ?」
こいつの性格や言動は、世界の果てを見たかはたまた、絶望の一歩手前を見たかのようだ。うん、聞きたいような、聞きたく無いよーな………。
「母親がやたらと強くて父親がやたらと弱く、そして中学の時やんちゃばかりして、軽く心配させて女中〈メイド〉と言う名の刺客を送り込まれるとこーなるよ」
すげぇ…。
考えてたより、ずっとへヴィだった。
ちょっとばかり、聞いた事を後悔した。反省はしてないが。
「まぁ、そのメイドさんに教育と言う名の暴力のおかげで今の僕が居る訳で」
はっはっは。さらっと、今虐待されてたつったよ。
「いやいや、懐かしいなぁ……女の子を殴った日には『女の子に手を上げるのは重罪です』とか言われて、口の中に釘〈クギ〉をめいいっぱい詰め込まされて殴られたりしたっけ」
いやいや、そんな事したらさすがに死んでしまうんじゃね?
急に、親友の目は光りを急速に失って来た。もしかして、この話はものすげぇトラウマなんじゃないだろうか?
そして、親友は音も無く泣きはじめた。
「ははは。銭湯の煙突に干し柿みたいに吊されたり、ジャングルに置き去りされてサバイバルもしたなぁ……はははは」
その時の親友の姿はどんな悲劇のヒロインよりも、勝る物だった。とクラスメイトは語った。
そんな事が有ったけど、そんな事を抜かせば楽しかったし、彼女は最高の反面教師だったね。と親友は語った。
俺はそんな反面教師は絶対嫌だ。と俺は思う。
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