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リオルは
中庭の中の
1番大きな
木の幹の中で
丸まって泣いていた。
リオルの小さな
泣き声が
静かな中庭に
吸収される。
リオルは
泣きたい時や
拗ねた時は
決まってここに
来るのであった…。
なぜなら中庭には
誰も来ないからである。
昔からある
中庭は長い年月の中で
木々が成長し、
庭と言うより
森に近かったため
誰も来なくなった
のである。
ところが
中庭と本館を結ぶ
道の向こうから
誰かが来るのである。
リオルは
少し驚いた。
この場所は
アンお姉様にしか
教えていないはず……。
なのに、
向こうから来る人は
ここを目指して
歩いている。
リオルは
誰なのか見ようとしたが
涙で目が潤んで
はっきりと
分からなかった。
しばらくすると
ついにその人物は
目前まで
来てしまった。
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