入籍

11/14
前へ
/82ページ
次へ
「まどか~ぁ、金貸してくんね?」 風呂からあがり、髪をタオルで拭きながら部屋に入ってきた翔が言う。 「またぁ?こないだ貸したばっかじゃん。」 「それがさぁ、もうないんだよ。 なんでだろね?俺もわかんないんだけど。」 適当なことを言う翔。 まどかは、飽きれた顔をしながら自分の財布から5万円を出し、翔に渡す。 「今月はもう貸せないよ。」 貸すと言っても一度も返してもらったことはない。 「ありがと~、まどか♪ まどかだけだよぉ。愛してるよ。」 翔はまどかの肩を引き寄せる。 小さいまどかは、翔の胸にすっぽりとおさまる。 「お前、また痩せたんじゃね?」 「そう?」 痩せた。 7キロも痩せた。 翔のこのセリフを聞きたいが為に、ダイエットをがんばっている。 翔の胸に中におさまっていると、とにかく幸せだった。 翔の大きな手がまどかの頭をくしゃくしゃと撫でる。 まどかには翔しか見えていない。 まどかは、上目遣いにキスをせがむ。 翔は慣れた感じでキスをする。 その続きを…、 とまどかは期待したが、 翔はキスをやめ、1人ベットに入った。 寝る、という合図だ。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

512人が本棚に入れています
本棚に追加