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「まどか~ぁ、金貸してくんね?」
風呂からあがり、髪をタオルで拭きながら部屋に入ってきた翔が言う。
「またぁ?こないだ貸したばっかじゃん。」
「それがさぁ、もうないんだよ。
なんでだろね?俺もわかんないんだけど。」
適当なことを言う翔。
まどかは、飽きれた顔をしながら自分の財布から5万円を出し、翔に渡す。
「今月はもう貸せないよ。」
貸すと言っても一度も返してもらったことはない。
「ありがと~、まどか♪
まどかだけだよぉ。愛してるよ。」
翔はまどかの肩を引き寄せる。
小さいまどかは、翔の胸にすっぽりとおさまる。
「お前、また痩せたんじゃね?」
「そう?」
痩せた。
7キロも痩せた。
翔のこのセリフを聞きたいが為に、ダイエットをがんばっている。
翔の胸に中におさまっていると、とにかく幸せだった。
翔の大きな手がまどかの頭をくしゃくしゃと撫でる。
まどかには翔しか見えていない。
まどかは、上目遣いにキスをせがむ。
翔は慣れた感じでキスをする。
その続きを…、
とまどかは期待したが、
翔はキスをやめ、1人ベットに入った。
寝る、という合図だ。
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