512人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、まどかは、半年前からキャバ嬢をしている。
ギャルを装いながらも、高校だけはきちんと卒業し、卒業後はショップ店員をしていた。
雑誌で見る、ショップの店員に憧れていた。
が、いざショップで働いてみると、
1日中立ちっぱなしで愛想を振りまき、
毎日違う服を着ていなければいけない。
重労働の割りに給料が安い。
それでも、ショップの服は社員割引で買えるし、それ目当てで自分の好きなブランドのショップを選んだし、
自分ひとりの小遣いとしては、なんとか足りていた。
が、ショップに勤め始めて、三ヶ月経った頃から翔からお金をせびられることが多くなった。
自分の生活をさておいて、まどかは翔にお金を渡した。
次第に、お金の余裕がなくなってきた。
コツコツ貯めていた貯金も、残りわずか。
こうして、まどかはショップを半年で辞め、キャバ嬢になった。
「キャバ?いいんじゃね?
でも、お前、おやじと寝るなよ~。」
まどかがキャバ嬢になると翔に相談した時、翔は言った。
「まどかが、お客さんと仲良くなったりしたら妬ける?」
「まどかは俺に惚れてっから。
心配ねぇし。」
翔はいつだって、自信たっぷりだ。
余裕がある。まどかはそんな翔が好きだった。
最初のコメントを投稿しよう!