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キャバの仕事は次第に慣れた。
ショップと違い、座っていられる。
最初の頃は、衣装は店や先輩に借りていた。
次第に、先輩に連れられ、キャバ嬢御用達の洋服屋で、露出の高い服を調達するようになった。
キャバの給料はショップ店員に比べとても良かったが、衣装代や美容院代に毎日札が飛んで行った。
まどかは持って生まれた愛嬌があり、小柄で華奢。
守ってあげたい男性心理をくすぐり、固定客も付いた。
定期的にプレゼントをしてくれる男性客もいる。
財布が豊かになっていくまどかをいいことに、翔の金遣いも一層荒くなった。
翔はパチンコ店を転々としている。
勤めては辞め、勤めては辞め、時には居酒屋店員をしたり、とにかく職を転々とし続けていた。
金がないのに、連日パチンコへ行き、パチンコにスロット。
勝てば上機嫌、負ければ不機嫌。
「二度と行かねぇ。」
まどかはもう飽きるほどこのセリフを聞いている。
病気だ、そう諦めていた。
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