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「おねぇさま方~、ココいいですか~?」
完全にチャライ容姿にチャライ言葉遣い。
「いや、女だけで飲んでるから。」
はじめは、そうあしらった。
「いいじゃん、いいじゃん。」
しかし、翔と浩平は、ジョッキを片手に、強引に恵達のテーブルに座った。
イマドキのチャラ男。
これが、恵の翔に対する第一印象だった。
1度結婚に失敗し、離婚後も数えられる位だが恋愛を重ねた恵は、
つくづく自分の男運のなさと、男を見る目のなさを痛感していた。
勝手に自分達のテーブルに座られ、仕方なしに一緒に飲み始める4人。
「恵は、駄目男に弱いんだよね~。」
静香が言う。
「マジで?!
じゃ、俺ピッタリじゃん!!」
翔がそこに悪ノリする。
「もうダメ男は、コリゴリなわけ。
ところで、2人はいくつなの?」
「俺達?二十歳。」
本当は19だ。
お酒を飲んじゃいけない歳。
「二十歳?!
わっかっ!!
他の若い子のテーブルに行った方がいいよ。」
「えぇ、なんでそんな寂しいこと言っちゃうわけぇ?」
「だって10も離れてるし。」
「ってことは、30?!
いや、見えない、見えない。
若いし。
2人ともオシャレだけど仕事は?」
「美容師だけど。」
「マジで~。
どこの店?俺の髪も切ってよぉ。」
「教えないし。
髪切るならお金取るよ。特別割増料金。」
恵は気付いていた。
翔が自分のタイプであること。
どうしてもこういう、いかにも駄目男に惹かれてしまう。
だからこそあえて、冷たくあしらっていた。
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