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翔もわかっていた。
この手の女は落とす自信がある。
しっかりしてそうで、おまけに強がりの女。
でも実はMで、実際付き合うと男性服従尽くし型。
このタイプは翔が得意とするタイプだ。
「そろそろ私達帰るけど。」
「えぇ?次行こうよ、次。」
「ありえないし。」
さっきから何度もこの会話を繰り返している。
今日は落とせなそうだな、翔は諦めた。
「じゃ、メアド教えて♪」
翔が顔の前で携帯を両手に挟み、かわいくお願いしている。
しつこい、このままでは帰れない。
そう思った恵は、
「仕方ないな~。」
とメアドを交換した。
これが恵の悲劇の始まりだった。
まさかこの2年後、
自分に降りかかる不幸など、
恵は予測だにしていなかった。
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