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2週間後、翔と恵は居酒屋にいた。
あれから頻繁にメールのやり取りをした。
翔は思いのほかマメだった。
今、彼氏のいない恵にとって、最初は翔は暇つぶしの相手だった。
が、最低のチャラ男と思っていた翔は、メールではとても優しい男。
最低の第一印象だった翔は、好印象に昇格するのは簡単だった。
恵はだんだんと翔に心を開いていく。
そして、今日、初めて2人で会うことになった。
「そろそろ帰ろっっか。」
恵がそういうと、
「まだ帰りたくないし。」
翔が甘えた口調で言う。
「ごめん、明日お得意のお客さんの予約が入ってて、朝早いの。」
「…う~ん…。
じゃ、また会ってくれる?」
「わかった、いいよ。」
「じゃ、今日は諦める。」
そう言い、翔は会計の伝票を持ちレジに向かった。
「払うよ?」
「いい、いい。俺が出すから。」
翔が会計を済ませる。
まどかから3万円もらってきていた。
「ごちそうさま。」
年下の割りに、しっかりしているな、
恵はそう思った。
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