朝起きるとマムーが庭に突き刺さってた

33/36
前へ
/36ページ
次へ
「はぁ…はぁ…」 切り終えた俺は、全身に汗をびっしょりかき、息を切らせていた。 墓くらいは作ってやろう。 殺されそうになったとはいえ、長い間一緒に暮らした同居人だ。 俺は庭に穴をあけて、そこにマムーを埋めた。 そしてひまわりの種を蒔いて石を置いた。 夏になり、庭一面に見事なひまわりが咲いた。 庭の一角にしか種を蒔いていないのに、庭一面に咲いたのはやはりマムーの不思議な力のなせる技なのだろうか?おそらくマムーなりの、傷の手当てをしたお礼だろう。 花が枯れ、種ができた頃、俺は最大の失敗に気付いていなかった。 気付いたとしても、その時にはもう手遅れだった。 そう、俺はまだマムーに操られていたのだ。 ひまわりの種の中から、おびただしい数の小さなマムーが飛び立ったのを知るのはまた別の話。  
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

550人が本棚に入れています
本棚に追加