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「そう?まんざら作り話じゃないかもよ、ほらっ」
女は、自分の手の甲を男に向けて、爪を見せた。
爪は……血のように“赤く”染まっていた。
「あははは」
男は笑って、「気付いてたよ。いつ“ツッこもう”か考えてた。さっきトイレに行った時に細工したんだろ?わざわざ話に合わせて、そんな色に染めてきて……そんなんで俺をビビらすつもりだったのか?どうせマニキュアか付け爪だろ?」
と言った。
「……だったらよかったんだけどね」
女も笑って答えた。「ごめんねっ。さっき“覚醒”しちゃった☆」
「ハハッ、もういいって」
……数秒後、車の中から、男の絶叫がこだました。
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