─1st・prologue─

6/6
前へ
/278ページ
次へ
「そう?まんざら作り話じゃないかもよ、ほらっ」 女は、自分の手の甲を男に向けて、爪を見せた。 爪は……血のように“赤く”染まっていた。 「あははは」 男は笑って、「気付いてたよ。いつ“ツッこもう”か考えてた。さっきトイレに行った時に細工したんだろ?わざわざ話に合わせて、そんな色に染めてきて……そんなんで俺をビビらすつもりだったのか?どうせマニキュアか付け爪だろ?」 と言った。 「……だったらよかったんだけどね」 女も笑って答えた。「ごめんねっ。さっき“覚醒”しちゃった☆」 「ハハッ、もういいって」 ……数秒後、車の中から、男の絶叫がこだました。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!

830人が本棚に入れています
本棚に追加