憑きもの

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この白いシャツを、私は何度見てきただろう。 すぐ隣にあるのに、手を伸ばせば掴むことができるのに、指を触れることすらできなかった。 いや、手を伸ばした時には、もうそこには彼はいなかったのだ。 彼は微笑んで手招きするけど、私は必死でそれを追いかけるけれど、決してその手の中にはたどり着けなかった。 なぜこんなにも私は彼を好きになってしまったのか。 離れていればいるほど、彼のことを考えてしまう。 この気持ちを決して伝えてはいけない。 わかっている、この気持ちを封印しなければならないことを。 なぜ私は苦しまなくてはならないのか・・・。 なぜこんなにもせつない思いをしなくてはならないのか・・・。 側にいないことが苦しくて切なくて。 彼が私をこんなにも寂しがり屋にしてしまった。
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