凌霄花の章

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「緋月!!」  女将の怒鳴り声に緋月はしぶしぶ重い腰を上げる。  ふすまを開けると、女将は真っ赤な顔をして、その場に立ちはだかっていた。 「何ですか?盛りのついた猫みたいな声を上げて。」  緋月の言葉に女将は、なおも顔を真っ赤に染め、ぷるぷると震えながら詰め寄ってきた。 「お前、加藤様を袖にしたんだって!?」 「加藤?」  すぐには思い出せず、少し考え込む。 「あぁ、あの男・・・。」  緋月の言葉にお上さんは、もう言葉も出ない様子・・・。
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