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ピピピピッ!!
先生が笛を吹いて晴久達に駆け寄る。
「晴久!!」
「晴久先輩!!」
選手達も急いで駆け寄る。
由季ちゃんも救急箱を持って急いで走って行った。
アタシは、何だか怖くて動けなかった…
バスケの怪我は、時にはその後の人生に関わる大怪我になるかもしれないから…
その事を知らないであろう恵那も、隣で口をだらしなく開けて立ち尽くしていた。
「津村、立てるか?」
先生は冷静に晴久に話しかける。
「大丈夫っす。捻っただけっすから…」
晴久は右足を庇いながら立ち上がる。
先生は晴久の足の踝辺りを触って、医者の様な慣れた手つきで、今度は膝を触り、徐々に上に…太ももまで触っていく。
「誰か…大石、保健室まで連れて行ってくれ。」
先生がたまたま目に入った一年生に指示を出す。
まさか…大怪我?
アタシは物凄く不安になった。
胸が凄く熱い。
「は…はい!」
一年生はそれに従おうと、晴久に肩を貸そうとしたけど…
「ちょっと待ってくれ!」
晴久はそれを片手で静止し、先生の顔を見つめている。
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