3.素直な気持ち

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ピピピピッ!!   先生が笛を吹いて晴久達に駆け寄る。   「晴久!!」 「晴久先輩!!」   選手達も急いで駆け寄る。 由季ちゃんも救急箱を持って急いで走って行った。   アタシは、何だか怖くて動けなかった…   バスケの怪我は、時にはその後の人生に関わる大怪我になるかもしれないから…   その事を知らないであろう恵那も、隣で口をだらしなく開けて立ち尽くしていた。   「津村、立てるか?」   先生は冷静に晴久に話しかける。   「大丈夫っす。捻っただけっすから…」   晴久は右足を庇いながら立ち上がる。   先生は晴久の足の踝辺りを触って、医者の様な慣れた手つきで、今度は膝を触り、徐々に上に…太ももまで触っていく。   「誰か…大石、保健室まで連れて行ってくれ。」   先生がたまたま目に入った一年生に指示を出す。   まさか…大怪我? アタシは物凄く不安になった。 胸が凄く熱い。   「は…はい!」   一年生はそれに従おうと、晴久に肩を貸そうとしたけど…   「ちょっと待ってくれ!」   晴久はそれを片手で静止し、先生の顔を見つめている。
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