第3章  神産み

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大地を創ったイザナギとイザナミは、次に風や木々、野山、及び家宅など、主に自然にまつわる神々を産み、その神々がまた多くの神々を産んだ。 イザナミはその後、火の神である火之迦具土神(ひのかぐつちのみかみ)を産んだ。又は迦具土(カグツチ)という。 ところがカグツチを産んだ際、その炎によって、イザナミは陰部に大火傷を負って、病気に伏せてしまう。 イザナミは病気に苦しみながらも、その嘔吐物や糞尿から更に神々を造っていった。 やがてイザナミが死ぬと、イザナギは大いに悲しんだ。その時の涙からも、神々が生まれている。 そして、イザナミの亡骸を比婆の山(現在の島根県安来市)に葬った。 イザナギは怒り、「天之尾羽張(あめのおはばり)」という剣でカグツチを切り殺した。 この時もまた、カグツチの死体、剣の切っ先から滴り落ちた血、剣の柄から滴り落ちた血などから神々が生まれた。 こうしてイザナミとイザナギは多くの神々を造り、八百万(やおよろず)の神々と言われる日本の神々を造っていった。
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