第7章  天照と須佐之男

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イザナギに海原を任されたスサノオだったが、彼は母であるイザナミに会いたいと悲しんだ。 イザナギの鼻から生まれたスサノオは元来イザナミの子ではないのだが、スサノオが悲しみのあまり泣き叫ぶと、海は荒れ狂い、大地に甚大な被害をもたらした。 そして海原の統治を断りイザナミのいる黄泉の国へ行きたいと言い出すと、これらに怒ったイザナギは、それならばこの国に居てはならない、と言って、スサノオを追放した。 スサノオは黄泉の国へ行く前に姉であるアマテラスに挨拶をしようと、高天原に登る。 一方、スサノオが高天原に向かっていることを知ったアマテラスは、スサノオが高天原を奪いに来たものと勘違いし、弓矢を構えてスサノオを迎えた。 これに慌てたスサノオは、自身の身の潔白と、心が清いことを証明しようと、アマテラスと神を生み出す誓約をする。 はじめに2柱は天の安河を挟んで立ち、スサノオが自らの十束剣(とつかのつるぎ)をアマテラスに渡した。 アマテラスがその剣を噛み砕いて息を吹きかけると、剣の粉塵から3柱の女神が生まれた。 次に、アマテラスは自分の身につけた勾玉(まがたま。正しくは八尺の勾玉の5百箇のすみまるの珠)をスサノオに渡した。 スサノオがそれを噛み砕いて粉塵を吹くと、そこから5柱の男神が生まれた。 アマテラスは、 「その5柱の男神は私の持ち物から生まれたので私の子。3柱の女神はあなたの持ち物から生まれたのであなたの子です」 と言った。これに対しスサノオが、自分の心が潔白で清いから優しい女神が生まれたのです、と言い、アマテラスはスサノオを許した。
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