第8章  岩戸隠れ

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アマテラスが天岩戸に隠れてしまったため、高天原も葦原中国も闇となり、様々な禍(まが)が発生した。 そこで八百万の神々が天の安河の河原に集まり、どうすれば良いか相談した。 この時、知恵の神であるオモイカネ(思慮・兼ね備える)の案により、様々な儀式や計略を行なった。 その終盤に、オモイカネは鍛冶の神アマツマラ(天津麻羅)を探し、鏡の神イシコリドメに命じて八咫鏡(やたのかがみ)を造らせた。 また、珠の神であるタマノオヤノカミ(玉祖命)に命じて、八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)を造らせた。 神々はそれらを用い儀式を行なったが、この八咫鏡と八尺瓊勾玉が、後に1本の剣とともに天皇の証として受け継がれる三種の神器である。 はじめにアメノタヂカラオ(天手力男)という男神が岩戸の扉の影に隠れた。 次いでアメノコヤネ(天児屋命)という神が祝詞(のりと。歌や呪文)を唱え、それにあわせてアメノウズメ(天宇受売命)という女神が踊った。 アメノウズメは芸能の神で、日本最古の踊り子である。 アメノウズメはうつ伏せに置いた桶の上に立ち、乳房をさらけ出し、衣服を陰部まで押し下げて滑稽な踊りを踊った。 それを見た八百万の神々は、腹を抱えて高天原が揺れ動くほど笑い転げた。
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