第8章  岩戸隠れ

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この音を聞いたアマテラスは、自分がこうして隠れて世界が闇に包まれているのに、皆は何故楽しそうにしているのだろうと不思議に思い、岩戸の扉を少しだけ開けて、 「なぜそのように楽しげなのか」 と聞いた。これに対し祝詞を歌っていたアメノコヤネが、 「それはあなた様よりも貴い神が現れたからです。ご覧下さい」 と言って、フトダマ(太玉命)と一緒に八咫鏡を差し出した。 アマテラスは鏡に映った自分がその貴い神だと思い込み、鏡に手を伸ばした。 そこで隠れていたアメノタヂカラオがアマテラスの手を取って岩戸から引き出し、注連縄で入口を封じた。 神々は、もうこんな所には入らないで下さいと言い、アマテラスは再び高天原と葦原中国を照らして明るくした。 そしてスサノオは八百万の神々によって髭と手足の爪を抜かれ、高天原から追放された。 その後、葦原中国の出雲へと降りた。
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