第1章  世界創発

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世界の始まりは「古事記」によれば“天地初発之時”(あめつちのはじめのとき)、つまり、混沌としていた世界が天と地とに別れて動き始めた時、とある。 その後、天上に高天原(たかあまはら)が生まれる。 高天原とは天上界のような場所のことで、ここで別天津神(ことあまつかみ)、神世七代(かみのよななよ)という神々が生まれる。 別天津神は5柱の神々、神世七代は12柱の神々の総称で、日本神話における最も古い神々(柱は神を数える単位)である。 全体的な総称として、高天原に住む神々のことを天津神(あまつかみ)、反対に地上に住む神々のことを国津神(くにつかみ)と呼ぶが、別天津神は天津神の中でも特別な神格を持つことからこう呼ばれる。 別天津神の5柱と神世七代の内の初めの2柱には性別が無く、抽象的であった。 これに対し、神世七代の残りの10柱には既に性別が存在し、男神女神で1対、計5対の神々であった。 神々が無性から次第に男神と女神に別れ、やがて愛を見出だし、子を成すようになる段階である。 その神世七代の5対のうち、一番最後に出現した1対を伊邪那岐(イザナギ)と伊邪那美(イザナミ)という。後に日本列島を生み出す国土創造の神々である。  
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