229人が本棚に入れています
本棚に追加
僕は高校から東京で一人暮らしを始めました
多感で痴漢な高校男児
華盛りで穴盛りかつ青春は買春な一人暮らしなんて楽園です
※注
この小説は上記の様な中身のない文章がよく出てきます
よく一人暮らしをいざ始めたら大変だし実家が恋しいなんて聞きます
僕にはその感覚は全く分かりません
例えばよくある青春の1ページ
「花子…実はさ…今日は親が帰ってこないんだよね」
「…え?ホントなのジョージ?なら今晩はあなたの家で肉じゃが作り放題ね!」
なんてのも一人暮らしには無縁な会話
いつでもウェルカム!
肉じゃがも子供も作り放題です
しかし誰もブレーキをかけてくれないのが一人暮らし
自制心なく遊び回れば生活費なんて皆無
手元に残るのは肉じゃがだけです
冗談はさておき僕も月末にはリアルに手元に米しか無いなんて事もありました
未だに謎ですが何故ユニセフは僕を助けてはくれなかったのか?
怒り心頭です
「そんなのお前が計画的に金使わないのが悪いんじゃねーか!」
って思うかもしれないですが僕は悪くありません
頭が悪いんです
そんな時に僕が頼るのはユニセフではなく田舎のばあちゃんです
家庭菜園で育てた野菜を送ってくれます
そんな重要な生活の生命線
決して体が丈夫ではないばあちゃんが真心込めて一生懸命に育てた大切な野菜
それを僕は段ボールの中で8割腐らせた事があります
きっと野菜より僕の心が腐ってたんだと思います
そんなばあちゃんからまたも仕送りがありました
今回は腐らせる事のない用に小さな段ボールに少しだけ入れて送ってくれたようです
箱を開けると中には手紙が
「元気ですか?ちゃんとしたもの食べてるか心配です。体には気をつけて下さい」
…ありがとう…
少しボケているばあちゃん
テレビと会話するばあちゃん
水戸黄門にキレるばあちゃん
すけさん
角さん
ばあさん
僕はばあちゃんの有り難みを痛感
感謝しつつ段ボールの中身を覗きました
焼き海苔しか入ってませんでした
ややややYAKINORI?
「元気ですか?」
このままいったら元気じゃなくなるよ?
「ちゃんとしたもの食べてるか心配です
焼き海苔はちゃんとしたものじゃないと思うよ?
その晩
僕の夕食は米に焼き海苔
初めて飯食べながら泣くかと思いました
最初のコメントを投稿しよう!