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やはり。
僕は緊張で息が出来なくなりそうだった。
「君達はここへ何をしに来たのかな」
「何を?決まってるでしょう?夢路君を捕まえに」
ちっ、と偶像崇拝が舌打ちした。
「わざわざここを狙ったのは夢路をおびき出すためってことかな?」
そうか。
ここは絶対に守らなければいけない場所だ。
そうなると、僕みたいな役立たずでもいたほうがマシ。
それに、家に僕一人残してここへ来るのも、万が一のことを考えると避けたい道だった。
だが、そう考えてここへ来たことは、奴らにとっては好都合だったらしい。
「力付くでも、連れて帰りますよ!」
絶対悪は、起こしかけていた体を倒し、地面に両手を着くと、思い切り偶像崇拝の手を蹴った。
銃が飛ぶ。
「くっ…悪あがきはやめたほうがいいんじゃない?」
偶像崇拝は真後ろに立っていた僕の腰のホルスターから銃を抜き、即座に構えた。
「悪あがき?こんなのはね」
ハサミを両手に持つ。
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