‐Ⅰ‐ 逃亡

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みつるは走り続ける。俺を連れて。 「おい、みつる?」 何を言おうが、彼女の耳には届かないらしい。 ずっとずっと、走り続ける。 俺は果たして、今までに、こんなドラマみたいなことに遭遇したことがあっただろうか。 そして一生懸命、何が起こっているのか、心の中で整理しようとした。 ……命令って誰からのだよ。 それに俺を殺そうとしてたくせに、何で俺を連れて逃げるんだ? いったい何が起こってるんだ? 俺が一生懸命考えている途中、みつるはさらにスピードを上げる。 「早く!!!」 なにがあったんだろうか。 みつるは、果たして何者なのか……どうして俺を殺そうとしたのか。 みつるは何も、答えてくれなかった。
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