-序章- 月が昇る

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そこはとある高校。 がやがやという、物音が通り過ぎる。 「うんうん、それで!?」 髪の毛を茶色に染めた人が、机に座っては、髪の毛をいじる。 「マジー……?」 そう相槌を打つ人は、いすに腰掛けて、ずっと髪の毛に集中している。 私はそれを横目で見、ため息をついた。 私の名前は、神月 みつる(こうづき みつる)。 人とは少しだけ違うが、ただの女子高生だ。 いらいらしているところに、私が待っていたものが届いた。 りろりろ~♪ 初期設定の着メロ。 私は急いで、メールを確認した。何のメールなのかはもう分かっているので、慣れた手つきで開いた。 <件名:今回の仕事内容> ついでに言うと、別に友達はいない。チェーンメールは全部拒否している。 じゃあ、このメールはなんなのかというと……。 <PARAカンパニー社長……名前“安堂 幸太郎”> 私は名前を何度も診て覚えた。 「安堂 幸太郎……」 仕事が多すぎて困る。今日もまた、真夜中に出かけなければならない……。 私はかばんの中にある、黒いものを確認した。 今日も仕事を、しなければならない。
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