‐Ⅰ‐ 逃亡

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さらに、その山奥から数100キロ。 川がせせらぐ、水車小屋の前にそいつはいた。 「なんだって? 殺せだぁ?」 イライラしながらも、要は電話を切った。 このごろ依頼が多くて、たまったもんじゃない。 ……また依頼かよ。いちいちとうるさいよなぁ。 そう思いつつも、相手は本部の人間だ。逆らったら何をされるか分からない。 いつも嫌いで使わない、敬語で話すことにする。 「神月 みつるってやつを殺す。それでいいんだ……ですね?」 やっぱりぎこちないものとなってしまった。 要はまたイラつきながらも、携帯電話を切る。 そして毒薬を自慢の吹き矢に塗りながら、神月 みつるがどんな人なのか、考えていた。
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