‐Ⅰ‐ 逃亡

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そのときだった。 ガサ…… 俺のすぐ後ろのほうから、何かが擦れる音がしたのは。 でもそれは大きな音じゃなかったので、空耳だろうと、無視して釣りの続きを始めた。 しかし、音はさらに近づいてくる。 ガサ……ガサ……ガサ…… 「気のせいじゃ……ない」 誰かがまっすぐ、こっちに来てる。間違いなく。 「……あれ?」 ふと、その音はやんだ。 しかし音が止まった次の瞬間、俺は恐怖で固まっていた。
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