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そのときだった。
ガサ……
俺のすぐ後ろのほうから、何かが擦れる音がしたのは。
でもそれは大きな音じゃなかったので、空耳だろうと、無視して釣りの続きを始めた。
しかし、音はさらに近づいてくる。
ガサ……ガサ……ガサ……
「気のせいじゃ……ない」
誰かがまっすぐ、こっちに来てる。間違いなく。
「……あれ?」
ふと、その音はやんだ。
しかし音が止まった次の瞬間、俺は恐怖で固まっていた。
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