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暖かな、あの微笑みを壊す日が来るのだろうか……自分のせいで。守りきれない、自分の弱さで。
そんなのは嫌だ。
ランチェルは言った。
「……守れ。その場にあるもの全てを。お前はだから弱いんだ……」
だから。
その言葉を訊いて、びっくりした。
「まさか……俺のこと、知ってるのか?」
ランチェルは、失言をした……そう思ったかのごとく、ふいと横を向いて一言だけ言った。
「……どうしますか?」
俺は二つの選択を迫られたのだと、そう感じた。
一つはみつるに守られること。
もう一つは俺がみつるを守ること。
だが、迷いなんてなかった。
……俺はこれから先、守られて生きてゆくのか。嫌に決まってるだろ。
そして俺は言った。
「ああ、その話……のったよ」
俺はランチェルの弟子になって、みつるを守ることを選んだのだった。
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