‐Ⅰ‐ 逃亡

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みつるは感じていた。 時間が刻一刻と過ぎてゆく……ナツメに、きっと何かあったのだ。 ナツメを助けるため、走り出そうとドアに手をかけた。 しかし、開く勇気が出ない。 「一つ間違えれば……私は殺されるし、ナツメも殺される」 せめて、私の愛用の銃を取ってこれたら逃げ切れるのに。 あのときどうしてか、いつも使っている銃ではなくて、あまり使わない小型銃を持ってきてしまった。 接近戦は、もっとも苦手。 いつも……お母さんに慣れろ、って言われていたっけ。 全く、言うことを訊けばよかった。 「早く帰ってきてよ……」 全身が自然と震えている。 怖い。いつか殺されることが。 私は、いつ来るか分からない刺客におびえながら、その場にへたり込んだ。
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