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みつるは感じていた。
時間が刻一刻と過ぎてゆく……ナツメに、きっと何かあったのだ。
ナツメを助けるため、走り出そうとドアに手をかけた。
しかし、開く勇気が出ない。
「一つ間違えれば……私は殺されるし、ナツメも殺される」
せめて、私の愛用の銃を取ってこれたら逃げ切れるのに。
あのときどうしてか、いつも使っている銃ではなくて、あまり使わない小型銃を持ってきてしまった。
接近戦は、もっとも苦手。
いつも……お母さんに慣れろ、って言われていたっけ。
全く、言うことを訊けばよかった。
「早く帰ってきてよ……」
全身が自然と震えている。
怖い。いつか殺されることが。
私は、いつ来るか分からない刺客におびえながら、その場にへたり込んだ。
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