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一方、湖では、ナツメがランチェルの弟子になった後だった。
「どうすればいいんだよ?」
俺がそう言うと、ランチェルは真剣な顔をしながら、銃を渡した。
「使い方を覚えればいいです。お前は、優秀だから……きっとすぐに分かるでしょう」
重たい。銃って、こんなに重かったんだ……。
俺は思った。
人の命を簡単に潰せる銃、それはとても重かったと。命の重さに比例するのだ、と。
俺はそれをポケットに入れると、ランチェルを見た。
どこか、懐かしさを覚えた。
……どこかで、あったような気がするんだけど?
懐かしい感覚にとらわれている間、ランチェルは予備の弾やら、小型ナイフやら……色々な武器を出してきた。
「生きて……生きて……生き抜け。幸せに生きろ、ナツメ」
そう言って、ランチェルは何事もなかったの用に去っていった。
残ったのは、人を殺す道具だけだった。
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