-序章- 月が昇る

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次の日。 朝からニュースが報道されていた。どこも同じ内容で、飽き飽きとしてしまうほどだ。 『PARAカンパニー社長である、安堂 幸太郎さんが射殺されました。あの、善良な彼がなぜ……』 それもそうか、あの大企業の社長が死んだのだから。 でも、私が殺すのには、理由が必ず存在する。 安堂 幸太郎は、裏で臓器売買をしていた。そして……何十人の人々を殺したのだ。臓器売買のためだけに。 私はただ殺すわけではなく、悪いことをした人々を、依頼によって殺す。 そしてターゲットを殺したら……お金が送られてくるのだ。 私はため息をついて、ちかちかランプが光る携帯を見た。 ……きっと、来てる。 私はテレビを消し、メールの確認をした。 <件名:今回の仕事内容> やっぱり……依頼か。 私は肩を落とした。私に休まる暇はないのだろうか。 そう、問いたくなるほどだ。 しかし、今回の依頼はいつもと違うところがあった。 <強盗犯。“雨龍 ナツメ”> ナツメ……? その名前には覚えがあった。
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