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俺は帰って、全ての事情を話した。
「……てわけだったんだけど。とにかく、敵か見方かよく分からないやつだったよ」
そして見せたのは、高級そうな銃。
さっきランチェルがくれた全部、みつるの目の前に広げて見せた。
ナイフに、銃に、毒薬。
よく見てみれば、本当にいろいろなものがある。
「これを、ランチェルって人がくれたって……殺しをしろって言ったって?」
俺は頷く。
「だめだよ…私が何とかするから……」
「それじゃダメなんだ。
俺が、守らないと…気がすまない」
みつるは散々反対していたが、仕方なくオッケーを出してくれた。
負けたって所だろうか。
みつるは疲れたというように、肩を落とした。
人を殺すっていうのが、どれほど辛いかなんて知らないから、簡単に約束をした。
「守って見せるから」
みつるは知っているから、心配そうな顔をして、言った。
「大丈夫?」
「大丈夫だ……守って見せるから」
言葉って、簡単に言うものじゃない。責任が取れないのに……言うべきではない。
気づくのは、そう遅くはなかった。
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