-序章- 月が昇る

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一方、そこは美術館。 「チッ! 罠がある……」 そこに、俺はいた。 美術館に贈呈されている宝石は、ひときわキラキラと輝く。 それを、俺は盗みたかった。 「ここにもあるな……」 て身近なものを、スッと投げてみる。 ――スパーン…… それは空中で、割れた。 長年のカンで、どこに罠があるかなんて分かりきっていた。 でも、そんな俺のカンでも分からなかった。 まさか、今から殺されるなんて。 考えもしなかった。
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