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一方、ナツメも足音を聞いていた。
コツ…コツ……コツ………
近づいてくる。
足音の軽やかさ、かからない体重。きっと少女……くらいか。
コツ…コツ……コツ………
俺はゆっくりと近づいていく。
――俺の両親は、強盗犯。
だからか、俺もいつのまにやら業を覚えた。
それが今役立っているのだが、それでも分からなかった。
俺を殺すために、その少女が近づいていることを。
「よし、行くか」
俺は足音が聞こえるほうへ、走っていった。
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