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「ラズ!何処へ行くの!」
ママは大人だから、ハロウィンなんて知らないんだね!
きっと生まれたときから大人だったんだ。
心の中で呟いて、ベットからシーツをひっぺがして被ります。
ママを振り切って、僕を待ってくれる優しいおじいさんの所へ。
ママは僕を待ってなどくれません。
だからいつも僕を怒るのです。
けれども一度シーツを被れば、優しいおじいさんの手のひらが僕を待っている。
去年は頭を撫でてくれました。
また来年もおいで、と、僕を待ってくれているはずのおじいさん。
おじいさんだけは、僕を待っていてくれている。
シーツお化けは、ミセス・コーニッシュの家の前を通り過ぎ、夜のリズナー通りを駆け抜けます。
やはり今日だけ、灯りの付いたDr.リートンのお屋敷の前で立ち止まるのです。
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