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「朱理ちゃん?」 シンに呼ばれて我に返った 「あ…ゴメン。ちょっと考え事しちゃった」 「眠い?もうすぐ夜明けだもんね」 大きな窓から見える空はうっすら光を放ち始めている いつもならシャワーを浴びてベッドに入っている頃だ 「…シンは眠い?」 夜明けが2人の別れを急かしているような気がしてなんだか哀しくなった 「さすがに少し眠いかな」 シンはそういうと腕と背筋を伸ばした なんだか寂しい… 途端に孤独感に苛まれる なんだか一人で留守番を頼まれた子どもみたい 「…寂しい?」 どくんと心臓が跳ねた シンを見るとシンはこっちをまっすぐに見ている からかうような表情ではない 訊いてきたシンの表情は寂しさを感じさせた コクン、と頷く
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