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仕事場に着くとバラは枯れることなく飾られたままだ 心なしか匂いが更に強くなっている気がして吐き気がしてきた 「おはよう朱理」 マネージャーが笑顔で近寄ってきた 私は「おはよう」と返すがバラを視界に入れなくなくてなんだか不自然な感じになってしまった 「あら?」 クイ、とマネージャーが私の顎を掴んで顔を寄せた 「寝不足?お肌が荒れてるわよ」 そういうマネージャーは今日は剃り残しもなくツヤツヤしていた 元々顔立ちは女っぽく、ヒゲも薄かったマネージャーはホルモン治療などはしていない 詳しくは訊いていないが、手術もしていないだろう…極度の痛がりで怖がりだから 化粧品などでカバーしてるのよ、とよく言っているがかなり見えない努力をしているのだろうと感心する
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