きれいな石の恋人

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ーーーぱらっーーー するとどうでしょう。また彼の頬から、同じ雲母が落ちたのです。 「ねぇ、何故こんなに貴方から雲母が落ちるの?まるで…」 私はそこでようやく気がついたのです。 「…貴方、肌が雲母でできているのね…。」 それは、宝石。石そのものでした。 肌だけじゃない。 返事をするためにカチカチと鳴らした白い歯は、よく見れば翡翠でしたし、瞬きをした窪みの中の目玉は、目玉のように見えるけど、とてもよく似た模様の縞瑪瑙でした。
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