きれいな石の恋人

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スーツの中は透き通っていて、夜色に輝くラピスラズリの三半規管と、アクアマリンの胃袋。 それらを巡る、流れているように見える細い塊は、紫水晶の静脈。 「何故…?何故貴方の身体は石でできているの?」 いつから…? ううん、最初から…? 何故私は彼を愛しているの? 彼は、石なのに…。 彼と付き合いだした頃の事を、よく覚えていませんでした。 大切な記念日は、常に覚えて彼と祝うこの私が。 「どうして…?」 宝石は、確かに好きでした。 でも、彼は外見で好きになったんじゃない。 …いいえ、もしかしたらそうなのかもしれない。 だって、私は一日に一度は宝石を眺めなくちゃ息が詰まりそうになるくらいの、宝石好きなのだから。 そう言えば、しばらく家で宝石を眺めた事がないわ…。
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