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次の日、家の前にはあの白い影はなかった。
ーーー諦めたのか…。
俺はそう一人心地に息をついた。
ぽっかり胸に穴が開いたような、そんな気持ちになる。
ーーー寂しいのか…?俺は。
まさかと首を振ってみても、白い犬が頭から離れない。
確かめてこようか?
いや、変に期待させて、アイツをこれ以上寂しい思いにさせてはいけない…。
だが、昨日見た夢…。
あれが俺をせき立てる。
「ーーーっ…!」
このもやもやした、割り切れない気持ちは、あの河原に行けばわかるはずだ。
たまらず俺は自転車のサドルに跨った。
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