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甘い、甘い
カラン カラン
氷の入った液体をかき混ぜるような音がする。
「・・・・トロア、うざい・・・・」
実際は飴をなめている音だったりする。飴を食べるたびに僕はそう思う。
「無理だよアクル。これ、トロアの癖だもん」
「うざいものはうざい。さっさと仕事に行けよ」
「・・・・わがままだなぁ、おい」
同僚3人の声を聞きつつも手に持っている紙に意識を集中させる。
カラン カラン
まだ音は鳴り響く。そして
カラン カラン ガリッ
途切れた。
「よし・・・・行ってくるね」
近くの机に紙を投げ、コートを手に取った。
「行ってらっしゃい」
「・・・・帰ってくんな」
「アクル!」
僕は口元を緩めながら出口に向かう。
「トロア・・・楽しそうだな」
「うん・・・・・・とってもワクワクしてる」
闇から光へ。僕は向かうのだった。
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