13人が本棚に入れています
本棚に追加
さっきまでいい天気だった空も何故か雲が増え雨でも降りそうな雰囲気になっていた。
ガラ…
教室のドアを開けて窓側の一番後ろの一つ手前という準特等席の自分の席にのろのろ歩いていった。
あと2分で遅刻だった。
でもそれもいつものことだ。
「ヨッス海、今日授業終わった後容儀指導あるんだってよ~!だりぃよな~。」
「ちっ、マジかよ!今日録画したプリキュア見たいから早く帰りたいのに。」
「お前プリキュアって…キモいから止めれ(笑)」
「バカ!冗談だよ!」
苦笑いをして自分の席に座った。
さっき話し掛けてきたのは
高宮 篤(たかみや あつし)
ルックスはまぁまぁ、スポーツ万能で成績は学年200人中毎回5位には入るという秀才くんだ。
しかも性格は明るく人付き合いも良くHR委員長も努めていて、おまけに女子にも人気だ。
はっきり言ってこいつに勝てるものは俺の足りない頭じゃ全然思い付かない。
中学で知り合って、今では陸と同じく一緒につるんでいる一人だ。
いつもは篤らと陽気に話をするのだが今日は何故だかテンションが低い。
「な~んか嫌な予感がすんだよなぁ…」
俺は薄暗くなってきた空を見ながら独りぼやいた。
最初のコメントを投稿しよう!