act.4 彼女について

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何となく外を見ていた俺が目にしたのは、空からゆっくりと降りてくる少女だった。 またスパイか暗殺者だと思い、少女が降りたと思われる地点へと急いだ。 この時代、ボックスとリングさえあれば、空から来るなんて珍しくも何ともない。 まぁ、スパイや暗殺者ごときになんてやられないけど。 中間地点でちょうど会う形になり、改めて少女を見た。 顔立ちは可愛い系で、スタイルも悪くはない。 ただ、気になったのは俺を見ても殺気がないこと。 むしろ、怯えていた。 とにかく、敵ファミリーではないみたいだし、行くとこもないようだから、屋敷に連れて行った。 そこで2・3問質問をして、はっきりわかったのは、敵でもなければ、マフィアでもないただの普通の少女だということ。 メイドとして雇おうと思い、幹部を呼び寄せた。 やっぱり隼人は文句が多いし、怒鳴るし。 雲雀さんに至っては、「強いの」なんて聞いてるし。 呆れかえってなにもいえない。 ふと、骸が少女――ゆいに向かって「大丈夫ですか?」と聞くのが聞こえ、見てみると体が震えていた。 それでも、平気だ、と答えるゆいに骸が体が震えていると指摘すると、ゆいは怯えて部屋の隅に行き、縮こまっていた。 声をかけようとすると、ほんとに小さな声で、謝っていた。 何も出来ずに、立ちつくしてしまう。 それは、他の幹部も一緒で。 しばらくしてゆいは意識を失い倒れてしまった。
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