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このままここにいても埒が空かないので、全員がいるリビングへと戻った。
「あの娘はどうなんですか?」
真っ先に聞いてきたのは、いち早くゆいの状態に気づいた骸だった。
「体に異常はないって」
「そうなんですか。他には?」
「……ココロが酷く傷ついてるみたいです」
「やっぱり。予想通りですね」
そういう骸に全員の視線が向く。
「どういうことだい?」
他人には興味をあまり見せない、雲雀さんが問う。
「カンタンです。昔に何人も見てきましたから」
「なるほどな。で、どうすんだ?ダメツナ」
「変わらないよ。住み込みで働いてもらう。保護も兼ねてだけど」
「そうか」
リボーンはあっさりとしたものだった。
さて。後は隼人と雲雀さんと……山本はいいや。うん。
「10代目危ないですよ!俺は反対です」
「隼人も見ただろ?あの娘はただの女の子だよ。大丈夫だから」
「ですがっ……」
「君バカじゃない?」
話の途中に雲雀さんが割って入った。
「っんだと!!」
「暗殺とかスパイならさっさと自害してるでしょ。大体、殺気もない彼女を警戒しても意味ないし。ま、僕は興味あるかな。あの娘に」
「………っ」
正論を言われ押し黙る隼人。
てか、あの雲雀さんが女の子に興味持つなんて…。明日は雨かな?
「じゃ僕は戻るよ」
そう言って雲雀さんは自室へと戻っていった。
「そう言うことだから、よろしくね」
俺は足早に彼女の……ゆいの病室へと向かった。
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