act.4 彼女について

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病室につき、ドアを開けると彼女が目をさましたんだろう。起きている気配がした。 「大丈夫?」 体調のこともあり、そう声をかけると彼女は申し訳なさそうに謝った。 「はい…ごめんなさい」 謝る理由がわからなくて。その理由を聞くと、 「迷惑…かけたから」 たった一言。そう言った。だから、オレは 「大丈夫だよ。驚いたけど迷惑だなんて思ってない」 そう言って頭を優しくなでてあげた。 「あ…りがと…っ」 すると、ゆいの瞳から大粒の涙が流れた。泣きながら、お礼を言う。たまらなくなって俺は、彼女をベットに寝かせた。 「今日はいいから休みな?」 「はいっ……」 「一応名前言っとく。俺は沢田綱吉。ツナでいいから」 「わかりました…」 「ん。じゃまた後でね」 そういい残して、病室を去った。 自室に戻り、ベットになだれ込む。直感か。彼女は、とても優しくて辛いものを背負っているように感じられた。 今日会ったばかりの、幼い少女の事をもっとしりたい…そう想った。
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