act.5 改めて紹介

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翌朝。 あたしはあまり眠れず、結局徹夜してしまった。 ……思ったより、あの事がショックだっんだな。とぼんやりそう思った。 でも、少しだけ強くなれたみたいだな。だって、リストカットしなかったし。 だってあたしの腕には、沢山のキズがあるもの。 少しだけ、服の袖をめくると今までやったキズが見えた。 今でも、やりたいけどさ。 そう考えながらぼんやりしてると、服のポケットから何かが出てきた。 それは、あたしの相棒とも呼べるナイフ。と言っても、自傷行為のだけど。 「まだあったんだ……」 おもむろにあたしは、鞘を抜き自分の腕に当てた。 いつもみたいに。 で、ナイフを引くと簡単に腕が切れた。 「やっぱ赤いや……」 ボーっと切った腕を見つめる。 またやろかな…またあたしはナイフを腕に当てた。 だって、痛み、なんて感じないし。 「ゆい?起きてる?」 誰かきた。多分、沢田さんだね。 あたしはやめずに、また腕を切る。 あーぁ。汚しちゃった。 紅い紅いあたしの血。真っ白なシーツにしみこんでく。 「ちょ…ゆい!!何してんだよ!!」 沢田さんはあたしからナイフを奪いさり、遠くに投げた。 「自分キズつけんな!」 ナンデ?ドウシテ? あたしは痛くないよ?なのに、なんで沢田さんが痛そうな顔、してるの? 「え……」 「ゆいが大事だから。傷つけないでよ」 あたしが大事? なんで?あたしはイラナイ娘なんだよ? 「なんで?あたしはイラナイ存在なんだよ。生きる価値なんてない」 「誰が言ったのかは知らないけど、俺はゆいが大事だよ」 うそ。あたし、みんなからイラナイって生きる価値ないって言われて育ったんだよ? なのに…あなたはそんなあたしが大事なの? まだ、1日しか経ってないのに。 「とにかく、もうすんな」 そう言って沢田さんは、あたしの腕を手当てした。 たくさんのキズを見る度、沢田さんは悲しそうな顔をした。 「今から、オレの仲間を紹介するから。大丈夫だよ。傷つけないから」 そう言って、沢田さんは病室に昨日いたみんなを入れた。
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