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高い高いビルの上から飛び降りたあたし。
途中で気を失うって本当だったんだ。
目が覚めると、あたしはどこかも分からない土地にいた。
あたしは死んだはずだよね?
ここが空の上?
とにかく、あたしは歩くことにした。
しばらく歩くと、屋敷みたいなとこに着いた。
道が違ってるのかと思い、来た道を戻ろうと振り返ると、ススキ色の男の人がいた。
「ねぇ君どこのファミリーの人?場合によっては殺すよ?」
殺す……?あれ?あたし、死んだんじゃないの?
「無視しないでくれる?」
慌ててその人の顔を見ると、物凄い笑顔だったけど、何かパパとママのキレたときの様子にそっくりで。
―――怖かった。
「ち…がいます」
やっと一言が言えた。
また、アレが繰り返されるの?
ヤだよ…繰り返されたくないから、『死』を選んだのに。
「じゃ何でここにいたの?」
「気がついたらここにいたんです」
怖くて体が震える。
でも、言わなきゃダメなような気がして。
「ま、いいや。とりあえずうちに来て。話し聞くから」
あたしは、ススキ色の男の人に屋敷に連行された。
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