―弐―

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「人を探してほしいのよ」 チューブトップを着た若い女は部屋のソファーにどっかりと座るなりミリアに言った。 「人探しですか」 ミリアは静かに向かいのソファーに座る。女はニヤニヤとした笑みを浮かべながら頷く。 「そうよ~。この世に七人しかいない選ばれた人間」 ゙七人しかいない選ばれた人間" その言葉にミリアの顔が険しくなる。それを見た女は確信を得たらしく満足そうな顔をする。 「確か、ここにいるわよね」 「それを貴女に教えるとお思いですか?」 「まさか!…だから、」 女は笑いながら指を鳴らす。 「実力行使させてもらうわ」 一斉に何処からともなく黒いマントを纏った四人組がミリアを囲むように現れた。 「抵抗しても無駄よ?ま、どうせ逃げられやしないけど」      ―☆―☆― 「ミリア様ー!どこにいらっしゃるのですか!?ミリア様ー!」 「落ち着け、ガラン!」 「落ち着いていられるか!!ミリア様が拐われたのだぞ!」 「ミリア様を拐った連中が、まだ近くにいるかもしれないだろ!ボク達まで捕まったら元も子もないじゃないか!」 「っ………」 「取り敢えず、ここから離れよう。皆がどうなってるかも把握しないと」 取り乱しているガランを落ち着かせながらサザラは辺りを警戒する。 「しゃんとしろよガラン。ボクの力だけじゃどうにもならないぞ」
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