我儘美形な幼馴染み

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『ハラヘッタ~』などの、校内のざわめきが聞こえてくる。 昨夜、遅くまで遊びすぎて、屋上の物影で朝から眠っていた克也は、扉が開く音で目が覚めた。 昼休みまで眠ってしまったらしい。 屋上に来たのは、克也と同じ学年の男で、名前を塚田正宗という。 名前が、時代劇のようだ。 正宗は、大きな風呂敷包みを持っており、ニコニコと笑っている。 おもむろに、レジャーシートを広げ、さらに大きなバスタオルを敷く。 タオルの柄が、くまのぷーさんだったので、克也はぷっと吹き出した。 離れているので、もちろん気づかれない。 ひとりで食べきれるのか、重箱が風呂敷の中から現れる。 大きな弁当だ。 だが、100キロはあると噂の巨漢、塚田正宗にはちょうどよさそうだ。 続いて屋上に来た人物を見て、克也は唖然とした。 幼馴染みの真由が、塚田正宗の後から現れたのだ。 真由は、克也も見覚えのある、水筒を持っている。 あれは、小学生の頃、俺ん家と真由の家の家族ぐるみでピクニックに行った時の水筒だ…。 真由は当然のように、大きな体の塚田の隣に並んで座った。 大人と子供のように見える。 「な…なんであんなデブと…」克也は、頭に血が上り、すぐに飛び出して行こうとしたが、なんとかそれを堪えた。 ,
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