① 5年後 ~約束~

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あれからあのトンネルには近づいていない。 琥珀が言ったもの。 ~振り向いてはいけないよ~ って… あの時離れたあの手がどんなに愛おしいか…あの後の琥珀の運命をどんなに思い願ったか… ふと道の脇を流れる川が目についた。 この寒さからかちょろちょろとしか流れていない自然の川。 千尋は川の前で立ち止まり、その儚い川の流れを見つめた。 「珀…」 帰ってくるはずもない呼びかけ。何度そうした事か。 異世界に迷い込んだ自分を導いてくれたように、銭婆の家に迎えにきてくれたように、こうやって呼んだら何故だかまた会える気がしてしまう。 「珀…私…きっと町を出るわ。」 あなたに会える事を信じ、この先もずっと…
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