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「しょうがねぇな………」
恭介が握力を緩めると、中年男はすぐに手を引っ込めて左手で痛めた右手をさすっていた。
「くそっ、調子に乗ってんじゃねぇぞ!」
中年男は懲りずに今度は左ストレートを恭介に打ち込もうとした。
が、恭介は丁寧にそのパンチをかわすと中年男の左腕を掴み、そのまま派手に一本背負いを決めた。
ドッダーン!
床にたたきつけた衝撃で電車全体が揺れる。
中年男は床の上で大の字になって気絶していた。
「ったく………中年男が面倒かけんじゃねぇよ」
ちょうどその時、電車が駅についたらしく、電車が止まる。
「ほら、おっさんはここで降りな」
恭介は中年男を引きずって電車のドアまでくるとそのまま中年男を駅のホームに投げつけた。
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